お知らせ
古都奈良で愉しむ
季節の歌と風情
2025.12.19

来週には二十四節気「冬至」「を控え、
いよいよ寒さも本格的になりますね。
奈良に暮らしていた先人たちが美しいと感じ、
歌に詠んだ、心を動かす冬の情景をご紹介いたします。
◆万葉集
淡雪のほどろほどろに降り敷けば平城の京し思ほゆるかも
大伴旅人![]()
(淡雪がまだらに降りつづくと、奈良の京の
雪景色が思われることだなあ。)
九州 大宰府に赴任した大伴旅人は、
(九州では)とても珍しい雪が舞う日に、
雪景色の平城京に思いを馳せておられたようです。
奈良の雪景色の美しさが、旅人の心に
深く刻まれていたと感じられます。
◆万葉集 百人一首
朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪
坂上是則![]()
(夜がほのかに明ける頃、明け方の月が照らしているのかと
思うほどに、吉野の里には白雪が降り積もっている。)
夜明けを迎える頃、雪がわずかな光を
反射して白く輝いている様子を、
有明の月に見立てて詠まれています。
修験道の聖地である吉野という地で見た雪景色が、
それだけ印象に残るものであったことが伺えます。
\今回ご紹介した歌が選ばれている/
百人一首(小倉百人一首)とは
お正月遊びの「かるた」として長く親しまれる百人一首は、
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した
公家・藤原定家が、100 名の歌人から1人につき1首ずつ
和歌を選んで作られた和歌集です。
家族や親戚が集まる機会の多い年末年始に、「かるた」や
「坊主めくり」の魅力に、いま一度、目を向けてみませんか。
