お知らせ
奈良の冬と、奈良の織物
2025.01.24
二十四節気「大寒」。
二十四節気とは、奈良~平安時代から
使われている暦のことです。
1年を24に分けた最後、24番目が大寒で、
一年で最も寒さが厳しい時節とされています。
大寒の最終日にあたる「節分」を過ぎると、
春の始まり、また、1年の始まりでもある
「立春」を迎えます。
日々、厳しい寒さが続きますが、
春がもうすぐそばまできていると思うと、
気持ちがほっと嬉しくなりますね。
ぐっと冷え込む早朝、
奈良公園では芝生に霜が降りることも。
白々と夜が明け、陽が昇り霜が溶け出すまでの束の間、
まるで水墨画の世界を眺めているかのような
白く美しい景色が広がります。
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このように四季折々の風情を愉しめる奈良は、
薄織物の産地でもあります。
今回は、蚊帳織物のことを少しご紹介。
「日本書紀」によると、蚊帳は中国から伝わり
奈良時代にはすでに使われていたと
されていますが、当時は貴族しか
使うことのできないとても高級な織物でした。
その後、麻織物の「奈良晒」が鎌倉時代に、
綿織物の「大和木綿」や「大和絣」が
江戸時代に誕生しました。
この二つの織物技法を活かすことで
蚊帳生地は大きく発展し、高級品から
身近な織物へと進化を遂げていきます。
網戸やエアコンなどの普及により、
暮らしの中で蚊帳を吊るす習慣は
今では殆ど見かけなくなりましたが、
蚊帳生地は、時を経て私たちの暮らしに寄り添う
商品の素材として使われるようになりました。
白雪では、「白雪ふきん」をはじめ、
タオルやハンカチなど暮らしの中で使える商品の
素材として、蚊帳生地を活用しています。